第101回 不要放香菜!(パクチー入れないで!)

私が中国に行って初めて覚えた中国語は、「日本(リーベン)」でもなく「対不起(ドェブチー/すみません)」でもなく、「不要放香菜(ブヤオファンシャンツァイ)」でした。意味は、「パクチー入れないで!」

 

そう、タイ料理やベトナム料理によく入っているアレ。中国パセリ、コリアンダーとも呼ばれ、中国語では香菜(シャンツァイ)といういます。中国東北料理にはよくこの香菜が大量に入っています。炒め物にも煮物にも涼菜(リャンツアィ)と呼ばれる中国サラダにも、麺のスープにも…。

 

これとの出会いは今でも忘れられません。今まで嗅いだことのない強烈で特殊な臭い。Wikipediaで調べたら、「パクチーは、カメムシのような風味であると評される」と!!カメムシ・・・。食べたことある人いるんでしょうか!?

 

香菜は恐ろしい。しいたけと同じ、いやもっと強烈で、ほんの微量入れただけで料理がその味に染められてしまいます。「香菜炒肉(シャンツァイチャオロウ)」という料理が留学先の大学近くの食堂にあったけど、それは本当にその字のまま、シンプルに香菜と肉を炒めたもの。もう香菜の味しかせず、肉のジューシーさを感じることが全くできません。それでも熱を通していればまだましで、味も臭いも半分くらいになりますが、涼菜などに生で入っている場合は顔を近づけただけでもその臭いがします。外国人の中には、この香菜を苦手とする人が多いです。韓国や欧米のクラスメイトも、大半は好んで食べませんでした。(※稀に、香菜が大好きだという人もいますが)

 

そういうわけで私も最初は香菜がだめで、このままでは何も食べられない~命に関わる!と思い、必死で初心者には難しい「不要放香菜(ブヤオファンシャンツァイ)」を覚えていました。

 

昔、上海の領導(リンダオ/政治のリーダー)が、香菜が食べられるか食べられないかで、外国人が中国の生活に適応できるかが決まると言ったらしいけど、そのとおりかもしれません。東北地方にいる限り、香菜との付き合いは避けられません。「不要放香菜(パクチー入れないで)」と言ったとしても、スープや、涼菜などあえ物の場合はなど作りおきのものでは、調理の段階で入れられていて、取り除くのが不可能だし。

 

ところが毎日食事のたびに香菜に出会うち、あれ、そんなに臭くないんじゃない?と思うようになり、南に行って香菜が料理に入っていないと、何で入ってないの?ちょっとくらい入っててもいいんじゃない?と思うようになりました。(南の人は香菜は食べません)今は大好きっていうわけじゃないけど、普通に食べられるようになりました。慣れだと思いますが、中国人留学生の中に納豆が最初どうしてもだめだったけど、今は大好きというひとが結構いるので、それと同じかも。

 

でも、北京の日本料理店で、うどんやそばに香菜が入っていたのには驚きました。これはちょっと合わないんじゃないの?と思いながら食べてみたら、割とおいしいと思いました。すっかり味覚が中国人化してしまったようです。香菜は殺菌作用があり、身体にはすごくいいようです。うどんやそばに香菜、一度お試しあれ!!