第103回 何でも聞くよ、友達だもん。

「カコってさ~、体重は何斤あるの?」

これは、中国の友達によく聞かれることです。体重…日本では仲が良くてもなかなか聞けないことだけど、中国人はこういう質問をプライベートなことだとは思っておらず、男の子が堂々と聞いてくることもあります。

(※斤はジン/jinと読んで、中国で一般に使われている重さの単位。500gで1斤。体重40kgの人なら80斤になります。中国ではこの斤という単位がkgよりメジャーで、市場で買い物するときもすべてこの単位で計算されます。なので、日本に来た中国人留学生の中には、kgに換算するとき間違って「私の体重は100キロ」などと言ってしまう人がよくいます。)

 

「○○斤だよ」

「えっ、結構あるね!私のほうが軽いわぁ」

そう言った彼女に全く悪気はありません。日本人同士の会話でこう言ったら、友情に亀裂が入るかもしれないけど、中国人は思ったことをストレートに言うので…。(韓国人もそうです)

 

「カコの給料っていくらなの」

これもまたよく聞かれる質問ですね。中国人同士でも、普通に交わされる会話です。初対面の人に聞かれたことも数知れず。

「カコのお父さんの給料って、いくら?」

同じく何回も聞かれた質問です。日本人サラリーマンがどのくらい稼ぐのか知りたかったのかもしれないけど、私の給料じゃなくてうちの父のを聞くの!?と、ちょっとびっくりしました。

 

中国ではおおっぴらにお金の話をすることがタブーではありません。あの人のうちはお金持ちだとか、あの子の給料はいくらだとか、どんな仕事をしたら儲かるとか、絶対お金持ちと結婚したいとかお金の話はとにかく良く出るし、たいへん盛り上がる話題です。中国人数人と一緒に住んでいたときには、もし宝くじが当たったらどうするというネタで、お酒を飲みながら朝まで話したこともあります。

 

日本では給料とか体重とか財産とか、そういうプライベートなことは友達同士でも遠慮して聞かないんだよと言ってみたら、

「体重も収入も聞けないなんて、それでも本当に友達なの?日本人ってなんで遠慮するの?友達だったら何でも聞くでしょう、普通。」

と、予想していた反応が・・・。中国では会ってすぐに年齢を尋ねたり、恋人はいるのかとか、結婚しているのかとか聞いたりするので、友達になったらなおさら遠慮なしにかなり突っ込んだことを聞くものなのです。

 

確かに友達に、ボーナスいくらだった?とか、体重どのくらいあるの?とか聞いてみたいと思うこともありますね。日本人は、習慣的に好奇心を押し殺して、無関心なフリをするのかもしれません。

 

ところが最近会った来日5年の中国人の友達が、

「この前帰国したら、日本でのバイト代はいくらだとか、彼氏の給料はいくらだとか、彼氏の両親は何をやってる人だとか、彼氏の両親の年収まで根掘り葉掘り聞かれて、嫌になっちゃった。日本では他人のことそこまで知りたがらないからさ。もうすっかり日本に慣れちゃって・・・」

と言うので、笑ってしまいました。やはり長くいれば、そこの習慣にいつのまにか慣れてしまうものですね。私も中国が長かったからといって、何でも聞かないように気をつけないと・・・。