第105回 私の小さな友人を紹介します②

そんなしっかり者のAちゃんもアイドルやアニメの話をするときは、やっぱり子供の顔が覗きます。眼をきらきらさせて、楽しそうに好きな芸能人やアニメの話を聞かせてくれる姿を見ると、なんとなくほっとします。彼女の見るマンガやアニメは全て日本語のものです。彼女のお母さんは、アニメやマンガばっかり見て・・・と言っていましたが、彼女にとってはアニメやマンガが、日本語を覚える上でかなり有効的な手段だったのだと思います。マンガの中には普段使わないような難しい単語が出てくるものもありますが、それを彼女は今ではほほ全て理解しています。彼女の日本語のレベルは高く、今すぐにでも翻訳や通訳の仕事ができそうです。

 

Aちゃんは時々中国に帰ります。以前帰国したときに前に通っていた学校に行ってみたそうですが、その学校の先生の中に日本のことが大嫌いな先生がいるのだそうです。その先生はいつも日本を悪く言っていたそうですが、その先生と再会したときにそのことでけんかになったと話していました。

「その先生が言うことは、事実とは違うこともたくさんあったの。少なくとも私が見た日本はそうじゃない。だから、日本に来たことも見たこともないのに、そんなこと言わないで下さいって言ったの。」

と彼女は言いました。

 

戦争のこともあるし、中国で日本人が嫌いだという人は少なくありません。(特に日本に行ったことのない人に多いのですが)私は中国人に面と向かって、戦争責任などで責められたことはありませんが、中国人同士の会話で、日本人は冷酷な民族だとか何も知らず反省が足りないだとか話しているのは何度か聞いたことがあります。そういう場で、日本を知っている中国人であっても、日本を擁護するような発言というのはなかなかしにくいのではないかと思います。彼女の先生がどんなことを言ったのかは分からないけれど、中学生になったばかりの彼女が大人に向かってはっきりと「それは違いますよ」というのは、きっと勇気のいることだったに違いありません。その話を聞いて、自分の経験に自信を持って、はっきりと意見を主張できる彼女の強さを改めて感じました。

 

来日して5年、彼女は今、何不自由なく順調に中学校生活を送っています。私が大好きな小さなその友人は、努力家で根性もあり、優しく、強く、賢く、そして、幼くして日中両国をとてもよく理解しています。彼女が今後どんな大人になり、どんな職業に就くのか、将来をとても楽しみにしています。