第110回 やっぱり白タクには乗りたくない①

以前バイクタクシーのことについて書いたことがありますが、今回はタクシーについて書きます。中国留学中(98年~2000年)の交通手段は主に一番安いバスに乗っていて、タクシーに乗ることはあまりありませんでしたが、たまに乗ると料金でもめることがよくありました。中国のタクシーにもメーターはついていますが、中国人はたいていよく行く場所まではだいたいいくらというのを知っていて、メーターを使わずに

「○○まで○○元だよね、じゃおねがい」

という感じでタクシーに乗り込みます。また、よく知らない場所でもいくらで行けるか交渉するので、メーターを使わないことが多かったです。が、当時中国語があまりできなかった留学生たちがこの方法で行こうとすると、10元で行けるはずが降りるときに2倍や3倍の料金を請求されることもよくありました。

 

メーターがいじられている可能性もあるので、うかつにメーターどおりの料金でいいとも言えません。最初の頃に空港でタクシーに乗ったら、メーターがいじられていて、行きの2倍の料金を請求され、留学生と運転手がけんかになったこともあります。(空港や駅ではタクシーの運転手が客引きをしていました。ぼんやりしていたら「どこまで行くの?とにかく乗りな!」と荷物を引っ張っていかれました。)

 

留学生は本当によく騙されるので、もしなにかあったら、助手席の前にあるプレートの運転手の名前をメモして(日本では一人で乗ったとき後部座席に座りますが、中国では助手席に座ります。)「監督機関に訴えるぞ!」と言うように、長くいる留学生の先輩たちにアドバイスされていました。そのプレートすらきちんと出していないタクシーもありましたが・・・。

 

当時、中国のタクシーは驚くほど汚かったですね。埃まみれで(中国の道路が日本の道路に比べるととても埃っぽいことも原因ですが)、日本のぴかぴかのタクシーに比べると、いつ洗車したんだろう?と思うほど。シートにはカバーがかかっていないものもあり、むき出しの黒いシートに埃がたまっていたり、かかっていても白いカバーが汚れて茶色くなってしまっているものばかり。そして、何万キロ走っているんだろう、日本なら廃車だよ・・・と、乗るのが怖くなるような年季の入ったボロボロのタクシーもたくさん走っていました。

 

中国のタクシーは防犯のために、後ろの席と運転席の右側(中国は左ハンドル)をプラスチックの板か鉄格子で囲ってありました。それを最初に見たときに、日本より治安の悪いところにきたのだなと思ったのを覚えています。今でこそ日本のタクシーにも似たようなものがついていますが・・・。

 

中国ではタクシーの乗車拒否は普通のことでした。例えば運転手が仕事を終える時間で、会社に戻る道のりだったとして、その逆方向に行ってほしいと頼んだら乗せてはもらえません。手をひらひらと振られて、車は行ってしまいます。また、相乗りはよくあることで、(都市部では少なくなったが、田舎では今でも相乗りが普通。)人が乗っているタクシーでもタクシーを拾おうと手を上げていたら、目の前で止まり、「どこまで行くの?通り道なら乗ってもいいよ」などと言われることがあります。

 

印象深いのは初めて一人でタクシーに乗ったとき、6元の料金で100元出したものすごく嫌な顔をされたことです。そのとき私は中国語ができなかったので、運転手が嫌な顔をした理由があとで分かったのですが、当時の中国では額の小さい買い物をしたときに、額の大きい札を出すと、お釣りを何枚も数えて出すのをめんどくさがられることが多かったのです。それに100元や50元の偽札がとても多く出回っていたので、暗いタクシーの車内で確認しにくいということもあったのだと思います。運転手のおじさんは何度も車内のライトで100元を透かして見ていました。

 

②へ続く。