第14回 情人節

少し時間が経ってしまいましたが、2月14日はバレンタインデーでしたね。

中国語ではバレンタインデーは「情人節(qingrenjie/チンレンジエ)」といいます。「情人」は、日本語のようにちょっとやらしい意味はなく(笑)「恋人」のことを指します。

 

数年前のバレンタインデーのことですが、私は職場の中国人の同僚に義理チョコを用意して出社。会社に着いて同僚たちにチョコレートを渡していると、同僚のCが、同じ課のWの分もあるの?と尋ねました。

「全員の分あるよ」

「だけどさ~、あいつが誤解したらどうする?」

「誤解?」

「俺たちは日本に何年もいるから、会社の同僚とか友達に義理チョコ渡すの知っているけど、Wは去年来たばかりでそういういう習慣について知らないでしょ?中国では恋人にプレゼントする日だし、あんたがチョコレートあげたら、あいつに告白してることになんだよ」

 

中国には、バレンタインに女性が男性にチョコレートを贈るという習慣はありません。もちろん義理チョコの習慣もありません。恋人でもない同僚や友達にチョコレートを配るなんて、お金がかかって大変ねと言われたのは10年前、留学していたときでした。一応一ヶ月後に返してもらえる、何倍にもして返す人もいるんだよと言ったら、そういうイベントでの消費が多いから日本の経済はいいのかもねと。

 

最近の中国の若いカップルは、バレンタインにお互いにプレゼントを贈り合うとも聞きますが、やっぱり圧倒的に男性が女性に贈るほうが多いです。一番多いのは薔薇の花束。その時期になると薔薇の花がいろいろなところで売られるようになり、こういうイベントの時期(特にバレンタイン)は薔薇の花の価格ががいつもの何倍にもなりますが、数百元の花束も飛ぶように売れていきます。バレンタイン用のギフトチョコレートも最近では売られていますが、ほとんどが男性から女性へ贈られています。

 

また中国独自の「中国情人節(中国のバレンタイン)」というのもあり、旧暦の7月7日がそうです。一年に一度、織姫と牽牛が出会う日ですね。その日も恋人たちは、一緒に食事をし、男性から女性へ花束等のプレゼントが贈らます。考えてみたら、今の若い男性のイベントでの出費は以前に比べると格段に増えています。所得の向上に伴い、イベントにかけられる金額もあがっているとは思いますが、周りがみんなやっていることだし、面子に関わることだから、そこはケチれないでしょうね。

 

冒頭の会話に戻ります。

「ははは!告白って!」と、ウケている私の横で、Cは

「よし!俺が説明してやる!」 と。

いつもと同じように始業ぎりぎりにやってきたWを捕まえてチョコレートを渡していると、Cがやってきて、

「日本では、女の子が同僚とか友達にバレンタインにチョコレートを・・・」

とCが言いかけたら、

「知ってるよ!他にももらった」

と、Wは鞄のなかからかわいらしくラッピングされた大きな箱を取り出しました。Cはちょっと羨ましそうに眺め、私はその大きさなら特別な意味があるかもよ、と思いました。