第18回 名前知らないけど友達

韓国の大学の韓国語クラスに通っているとき、他の班にかわいい中国人の女の子を発見。

友達になりたくて、その子がいつもいる中国人グループの中の一人が私のクラスだったので、彼女の名前を聞いてみたら、驚くべき返事が返ってきました。

「え~っと、あいつなんて名前だったっけな。劉ナントカ…、実ははっきり知らないんだよ」

「いっつも一緒にいるのに、なんで知らないの!?」

「知らなくても別に困んないもん」

仲良くしているのに、お互いの名前を知らない。友人の中国人の間では、よくこういうケースがあります。

 

中国人同士が話しをするときは、あまり名前を呼ばず、常に「你(ニィ)あなた」という代名詞を使います。なので、名前を知らなくても会話が成り立つのです。

例えば、

「今日あなた何の授業あるの?」

「リスニングと会話だよ。あなたは?」

「朝から精読の授業。そうだ、終わったらご飯食べに行こうよ。あなた何時に終わるの?」

「12時かな。あなたの食べたいものでいいよ」

「この前あなたと冷麺食べに行ったから、今日はプテチゲにしよう」

などと、一度も名前が出てきません。なので、必要に迫られない限り、改めて名前を聞いて覚えなくても会話にこまりません。日本では仲のいい友達を名前で呼ばず、何度も「あなた」などと言ったら、ちょっと失礼な印象を受けてしまいますが。

 

韓国でも基本的には、日本と同じで相手の名前を呼んで会話をするので、知り合ってすぐ名前を尋ねられることが多いです。「당신(タンシン)あなた」という言葉はありますが、使用頻度は低いです。中国人が韓

 

国語を勉強するときに、「你」と同じ要領で「당신(タンシン)」を連発してしまい、韓国語の先生に韓国では「당신(タンシン)」はあまり使わない、と直されることがよくありました。中国では第三者を指すときも、その対象が目の前にいるいないに関わらず、名前を呼ばないで、代名詞を使い「他(タァ)彼」「她(タァ)彼女」といいます。

例えば、

「今日あなた図書館行くんでしょ、彼女も連れて行ってあげて」

「いいよ、誰の車で行く?私の?彼女の?あなたは行かないの?」

「彼女の車で行けば?私は用事があって行けないから、彼女に借りてきてほしい本頼んだの」

などと、やっぱり名前は出てきません。が、話をするのに何ら不自由はないのです。

 

知り合った人全員の名前を必死に覚えようとしている私に(中国人の名前はみな似ているので最初は非常に覚えにくかった。)中国の友人たちが、「『

你』とか『他』で別に問題ないよ。名前を呼ぶより親しい感じがするでしょ。」というのを聞

いて、こういうことでも考え方が全く違うんだな~と感じたのでした。