第27回 お金の使い方は合理的

最近、輸入家具・雑貨店の方から話を聞くことがありました。このところ北海道には中国からビジネスで訪れる人や観光客、また北海道に別荘やマンションを購入する人が増えていて、中国人が見に来ることも以前より増えたということでした。彼は、ニュースや新聞などで、中国人富裕層の羽振りの良さを目にし、期待して接客にあたっているのでしたが、

「品質のいいものなら何でも興味を持ってくれるかっていったら、そうでもないみたいだったよ」

とのことでした。

 

例えば、来店した中国人がライトに興味があるようだったので、日本人に人気のあるフランス産の小さなシャンデリアを勧めました。センサーでスイッチが入り、小さなガラスの玉がいくつもぶら下がっている豪華なデザインのもので、一つ10万円以上のものです。その人は「いいデザインだね」と眺めていましたが、価格を言った瞬間、

「高すぎるね。見たところ鉄とガラスとプラスチック、高い素材は何も使っていないでしょう。これを中国で作らせたら10分の一以下で作れるよ」

と一蹴。フランスの●●産の高級なガラスを使っていると主張しても、全く興味がなくなった様子。

 

次にその中国人は、大理石のテーブルに興味をもったようでした。今度は何度も手触りを確かめ、机の下にもぐって裏側もよく見ます。イタリア産だと言ったら、

「いいね、うちのリビングにおきたいよ。」

と。恐る恐る80万という値段を言ったら、今度は高いとは言いいませんでした。無言でテーブルを撫で続け、

「もうちょっと安くならないかな?」

と言いました。

 

「そういうわけで、中国の人にどういうものが好まれるのかよくわからないんだよねぇ。高級であればいいっていうわけじゃないし・・・」

中国人のお金の使い方は大変合理的で、日本人とはちょっと違うかもしれません。ライトは天井に飾るもので、手に取って見るものではないので、見た目さえよければ、●●産のものでなくてもかまわないません。誰もそれについて本物か偽者かなんて確認しないので、中国産のイミテーションで充分なのです。が、テーブルはとなるとそうはいきません。家族が日常的に使うだけじゃなく、お客が来たらそのテーブルで食事したりもするだろうし、みんなが実際に近くで見るし、手で触るものなので、それは面子にかけて本物じゃないといけないのです。

 

中国は面子社会なので、お金をかけるところが非常に合理的で分かりやすくなっています。つまり、人に見せるものにはお金をかけます。(車だったり、家だったり、身に着けるものだったり、友達にご馳走するときのレストランだったり)だけど、そうではないものには、お金持ちかそうでないかに関わらず、びっくりするほど出費を惜しみます。

 

家具店の店長さんは、

「『ちょっと安くならない?』と言われた後の値切り交渉がすさまじかった。ちょっとどころじゃないよ~」

と苦笑いしていましたが、中国では値切らないで物を買うということはありえないので(とくに高額なものは)、値切られることを前提に、その分はのせておかないといけないかも。中国人に日本では値引き交渉はほとんどないということを説明しても、にわかには信じないと思いますから。