第29回 冷製だけどあっためて?

先日、洋食屋さんでアイカタ(中国人)と中国から来たお客さんと食事していたときのことです。コース料理を注文したら、まず最初にしっかりと冷やされた冷製スープが運ばれてきました。アイカタはすぐに

「残念、これあったかかったらすごく美味しいのに・・・」

と言い、お客さんに至っては、

「悪いけど、これ飲めない。温めてもらえるか聞いてくれない?」

と言いました。冷製スープなのに(笑)そして、中国では冷たいスープを飲むなんてありえないんだよ、と付け加えました。

 

中国人は、基本的に冷たい料理は食べません。冷たいもの、冷めてしまったものを摂ると胃腸に悪いと考えているからです。昼ごはんにおにぎりを持参してかじっていると、中国人の友達に、

「冷めたご飯を食べているの?だめよ、身体に悪いから、温めて食べたほうがいいわよ」

と言われたことが何度もあります。中国では料理は必ず、できたての温かいものか、冷めたものはかならず温めて食べます。なので、日本のように、朝作って冷めてしまっている弁当を昼に食べる文化というものは中国にはありません。(今は電子レンジが普及しているので、おかずを詰めて持っていく人はいますが)

 

湯気が立ち上るほど熱々の中華料理に比べ、日本料理は冷たい料理が多いので、日本にいる中国人の中にも日本料理が苦手というひとは結構います。また、今は中国でも寿司屋や日本料理店が増えており、「冷たい」お刺身やお寿司を食べる人もいますが、たまにならいいけど、そういった食事が続くとなるとちょっと・・・という人が多いようです。

 

私はアイカタと結婚して、昔は大好きだったのにほとんど食べなくなったものが二つあります。一つは冷やし中華、もうひとつは冷たいおそばです。アイカタが食べたがらないので全く作らなくなり、外でも食べなくなりました。

「冷たいものは胃に悪いよ」

といわれ続けた結果、私もなんだかそんな気がするようになってしまいました・・・。(アイカタはあったかい麺類なら喜んで食べていますが。)

 

同じ理由で、中国人は冷たい飲み物もあまり飲みませんね。中国に行ってお店で食事したときビールを頼んだら、ぬるいビールが出てきて、冷たいのを頼んだら冷やしたのはないと言われた、という話を友人から聞きました。中国人は冷たい飲み物も身体に悪いと思っているので、ビールも冷やさないで飲みます。水やジュースなどの飲み物にもほとんど氷を入れません。なので、日本の飲食店で水に氷を入れて持ってくるのを不思議に思う人もいるようです。中国人の宴会の予約を頼まれて、飲み物に氷を入れないよう事前に伝えておくように言われたこともあります。私の友達は、冷蔵庫に入れたジュースをわざわざお昼に飲むために、二時間前に取り出してぬるくしてから飲む徹底ぶりです(笑)確かに冷えすぎた飲み物は身体によくないですよね。

 

以前北海道を訪れた中国人観光客に実施したアンケートの回答で、日本のサービスへの要望として、飲食店で氷の入っていない飲み物を提供してほしいというものがありました。日本ではどこに行っても氷の入った飲み物が出され、すっかりお腹が冷えてしまったと。中国人観光客の受け入れ態勢を充実させるための一つのヒントとなりそうですね。

 

一つ不思議に思うのは、冷たい料理が苦手なアイカタがアイスクリームが大好きなことです。他の中国人もアイスクリームはよく食べていますね・・・。

「それは、別腹ってやつだよ」

と、彼は言っていますが、なんだか納得いきません(笑)