第43回 罰金さえ値切る

数年前、アモイに滞在したとき、友達が婚約指輪を選ぶのにつきあわされたことがあります。一日中歩き回り、めぼしいデパートのアクセサリー売り場をいくつも見て回りました。中国のアクセサリーのデザインは、日本の流行のものとはかけ離れています。日本人が好むプラチナより金のものが多いし、ぎらぎらして主張の激しいデザインのものが多く、シンプルなものは少ないのです。

 

彼女は大きなダイヤが付いた指輪を選ぶと、すぐにダンナさんに電話をして会社から呼び出しました。 ダンナさんはやって来て、ちらりと値段を見ると、

「たっけぇな~、安くしてよ!」

いきなり値切りました。 ここ、デパートです。アモイで一番大きなデパート…。外資系の。

 

「それはできません。ただ今300元お買い上げいただいたら80元の商品券をお渡しするキャンペーンを行っておりますので…。」

数百元買ったら、いくらかの商品券で還元というのは中国でよくやっているキャンペーンです。店員がダメダメと言っているのに、だんなは全く引き下がりません。

「この値段じゃ買えないよ。せめて○○○元だよね。そのくらいサービスしてよ。」

などとしつこく食い下がります。

 

「無理です」

「そこを何とかしてよ」

これを繰り返すこと1時間半。もう無理でしょう、いい加減あきらめたら?と思っていたら、なんと店員が折れました。

「では、○○○元で。」

「もうヒトコエ!」

 

結局、2,500元(当時のレート1元=15.7円)以上も安くなりました。言ってみるもんですね。中国では商店街や市場では、基本的に値切って買い物をします。店員の言い値で買うことはあまりありません。値段を聞いて帰るフリをしたら、一気に半額以下まで下がることもあります。中国人は、本当に駆け引き上手です。私も最初はそんなことできない・・・と思っていましたが、半年も滞在するうちに物の相場もわかり、度胸もついて、たった3元のものでも2元にまけてくれと言えるようになりました。

 

私はこの日、田舎の商店街や市場だけでなく、都会のデパートでも値切れることを知りました。ダイヤの婚約指輪でも値切れちゃうんだ・・・。そういえば、それも値切れるの!?とびっくりしたものがもう一つ。留学中、大学の近くで知り合いの女の子がおまわりさんにバイクの3人乗り(※2人じゃないですよ。3人乗り。)で捕まっているのを見ました。そのときの会話。

「罰金100元払いなさい!」

「アイヤー、今私10元しかないよ。」

「3人合わせても30元しかない。これでカンベンして下さいよ」

「本当にそれしかないのか?」

「ないです、ないです。私たち急いでいるんです。30元払いますから」

「仕方がないな、今回はそれでいいけど、3人乗りはしないように!」

罰金も値切れるんですか!

 

中国って、どんなものでも値切れるのかもしれないですね。そうそう、友達の中には病院の手術代を値切ったとか、飛行機の荷物のオーバーチャージを値切ったっていう人もいますね。安くなるかどうかは別にして、何でも一度交渉してみたほうがもいいかも・・・。