第44回 人のことはいえない

新琴似ナビをご覧の皆様、少々遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。

一身上の都合により、しばらくこのコラムをお休みさせていただいていましたが、また再開することとなりました。

皆様、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

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中国にいるとき、街中であまりにもめちゃくちゃな日本語を見かけることが多くて、最初のころは日本人留学生同士で報告し合い、おなかがよじれるくらい笑っていました。

例えば、スーパーや百貨店で売られている食品に、

「こめお茶ほ、何度お湯をちしても香りがめります(このお茶は何度お湯をさしても香りがあります?」

だとか

「美顔アッサーヅ(美顔マッサージ?)」

だとか日本語で書かれていて、全く意味の通らないものから、あと一息っていうのまでありました。日本語が書いてあると、日本のものだと勘違いして買っていく人もいるので、それが狙いなのかもしれないのだけど、大手百貨店に入っていて「日本のお店」と看板を掲げているのに、売っているもののパッケージには、日本人が見たら意味不明なひらがなの羅列が記載されているなんていうこともよくありました。そういうものが本当に多いので、しまいにはそれに慣れてしまい、間違っているのが普通に思えてきて、たまに正しい日本語が書かれているものを見つけると感動してしまうくらいでした。

 

最近北海道では中国人観光客が増え、いたるところで中国語の表記を目にすることが多くなりました。駅や公的な窓口などで中国語用のパンフレットを置いていたり、中国語が話せる人を配置していたもしますし、中国人観光客がよく来るような飲食店には中国語のメニューを置いたりしています。中国語、英語、韓国語の表示がされているところもあって、北海道も国際的になったものだとしみじみ思います。私が大学を卒業したころは、中国語を使う仕事に就こうと探しても、北海道ではなかなか見つかりませんでしたが、今はかなり増え、最近は特に観光業のほうで需要があるようです。

 

数日前、あるお店で中国語の表記を見つけ、今はここにも中国の観光客が来るんだと驚きながら、その表記をよく見てみると、あれ・・・全く意味の通らない中国語になっています。見れば見るほどおかしくて、笑いをこらえるのが精一杯。あまり詳しくは書けないのだけど、「~は、ご遠慮願います」という表現が「遠慮希望増加」となっています。(「~は、ご遠慮願います」の場合、「请勿~(しないで下さい)」と書くのが正しい)多分翻訳ソフトで訳したのだと思うのだけど(翻訳ソフトで長い文章を訳すと、正確には訳してくれない。)、「遠慮(远虑)」は、中国語では「遠い先のことまで深く考えること」で、日本語の「やめる」という意味にはなりません。「願い」の意味なら「希望」と訳していいかもしれないが、この場合はやはり当てはまらないし、「ます」にいたっては、「増す」→「増加」と訳されています。

 

改めて街中で中国語表記を見てみると、かなりおかしなものがあることに気づきます(特に商店で)。中国人が見たら、笑ってしまうようなのもあるでしょうね。おしい!あとちょっとなのに・・・というのもありますが。また、韓国語も注意して見ると、やはりそれと同じようなものがたくさんありました。韓国語は文法云々より、韓国語を知らない日本人にしてみれば形が難しいので、例えば「어」が「아」になっていたり、手書きのものだと形が変だったり、韓国語は

「아버지는 회사원입니다」

のように、意味の切れ目で間を空けるのだけど、空いていなかったりします。中国で見かけた「こめお茶ほ、何度お湯をちしても香りがめります」のように「の」と「め」と「あ」、「さ」と「ち」などの区別がついていないのと似たようなものです。

 

英語やロシア語の通訳の人に聞いたら、日本の英語やロシア語の表記にもそういうものがあるとのことです。結局、このようなことはどこの国でも多かれ少なかれあることなのですね。中国のことは笑えないな・・・と思ったのでした。ちょっとネイティブに確認してもらえば済むことなんですけどね。周りにその言語の専門家がいないなら、お金を払ってでも翻訳会社に頼めばいいと思います。伝えたいことを外国語で表記しても、通じないなら全く意味がありません。そこにお金をかける価値はあると思います。北海道の外国人観光客受け入れ態勢がまだまだだとよく言われていますが、こういう小さいところから改善していってみてはどうかなと思います。