第45回 キッチン独立型希望

先日、中国の友達の家探しに付き合いました。不動産をいくつか回りましたが、彼女の希望する条件にあてはまる家はなかなか見つかりませんでした。彼女の希望する条件とは、

「キッチンと部屋がきちんと分かれている物件」。

 

どういうことかというと、料理をするときキッチンのドアを閉めて部屋のほうに臭いや油がいかないようにできる、つまりキッチンが一つの部屋のようになる家ということです。中国人が食べる「中華料理」は、日本料理と違い相当量の油と香辛料を使います。それが毎日三食となると、気をつけていても、どうしても油や臭いが部屋の家具や壁、床についてしまうのです。この条件にこだわるのは彼女だけではありません。他の中国人の家探しの相談にのったときも、「本当はキッチン独立型の家に引っ越したかったんだけど、見つからなかった」と言われました。

 

日本の家は、キッチンとリビングにしきりのないつくりになっている場合が多ですね。お客さんや家族の顔を見ながら料理できる対面式のキッチンを好む人もいるくらいだし…。中国の家は、たいていキッチン(厨房)がしっかりとドアが閉められる独立した部屋ようのになっているので、日本の家屋は使いにくいと思ってしまうのだと思います。

 

主人がごくたまーーーーーに料理をしますが、やはり油や匂いのきつい八角やにんにく、花椒などをよく使う料理が多く、家全体がものすごい油と香辛料のにおいになります。洗濯物は居間には置いておけないですね。キッチンは独立してないと…と考える気持ちもわかります。

 

ふと、韓国にいたころを思い出しました。韓国の家は日本と似たつくりになっており、キッチンは独立していません。韓国にいるときに、中国人留学生の家探しを手伝うことがあっりましたが、やはり希望のキッチン独立型という家はなかなかなかありませんでした。韓国料理も油や香辛料(とうがらしくらいです)をたくさん使うわけではないので、キッチンを隔離させる必要はないのだと思います。この件を通して、食文化の違いで住まいのつくりも変わってくるのだということを知りました。

 

韓国で中国人と同居したことがあり、気づいたのですが、やはりキッチンの周りはどんなに手入れしても油だらけになります。毎日油を大量に使うわけだし、気づかないようなところにも油が飛び散ってしまいます。床は、いくら拭いてもべたべたしていました。ある韓国の男性が、

「中国人とは絶対に住めない。ゴキブリが出るから」

と言いました。それは偏見じゃないだろうか?と最初は思っていたが、一緒に暮らしてみると、確かに出ます…。同じソウルで、韓国人と暮らしていたときは、ゴキブリを見たことは1、2回くらいで、出たら大騒ぎになっていたが、中国人数人と暮らしていたときは、出るわ出るわ、小さいのも入れたらほぼ毎日10匹以上は見ていたような気がします。

 

一緒に住んでいた福建の女の子たちは、ゴキブリを見てぎゃあぎゃあわめく私に

「大丈夫、あれは噛まない虫よ。」

と言って、すぐにとってくれたましたが…。そして、知りました。ゴキブリが出るのは、不衛生だからじゃない、油が原因だと。もうどうしようもないのです。油と切れない限り、ゴキブリとも切れないのです。夏は特にひどく…。あの蒸し暑さと油のベタベタでゴキブリが大量発生するのです。

 

最初はゴキブリを見たらぶるぶる震えていたが、数ヶ月したら箒を片手にゴキブリを追い掛け回す勇敢な私がいました。何にでも慣れというのはあるのでした。