第47回 うちはホテルじゃない!?

韓国人と結婚した友達が、困っていることがあると切りだしました。

「毎年、主人の大学生のいとこ二人が韓国から来て、一ヶ月以上滞在するの。彼らが来たらいろいろなところに連れて行かないといけないし、結構お酒も飲むし、食費なんかの滞在費は一円ももらえないから、結構な負担で・・・。いとこだけじゃなくて、夏休みや冬休みに姪っ子や甥っ子を連れて、彼のお姉さんやお兄さんもしょっちゅう来るの。たまにならいいんだけど、うちはマンションで部屋が余っているわけじゃないのよ。夫にそれとなく言ってみたんだけど、『部屋なんかいくつもいらないよ、みんな一緒に寝ればいいじゃん』って言われちゃって。それで、私もストレスたまっちゃって、夫と大喧嘩になったの。うちはホテルじゃない!!って叫んじゃった」

 

「みんな一緒に寝ればいいじゃん」の一言にふきだしてしまいましたが、彼女には笑い事ではないようで・・・。韓国人は仲の良い友達や親戚と、大人になっても同じ部屋で、更には一枚の布団で寝ることにあまり抵抗がないのです。韓国人のルームメイトと暮らしている間、毎日二人で一枚の布団で寝ていたことを思い出します。

 

家族や親戚の絆が強い韓国では、親戚の家に長期滞在するのは普通のことです。親戚同士ならお互いに助け合うのは当然のこと、というような感じで、長期滞在しても特にお金を払わないこともよくありますね。彼女の場合も、親戚の人たちは「韓国に来たときはこちらがすべてもつのだから」という考えでいるのだと思います。(飲食代は迎える側が払うのが一般的です。)彼女にもそう伝えましたが、韓国をそこまで知らない彼女は、「韓国にそんなに長い間いたことはないよ。気を使うし、人様の家に長居ってしずらいよね。」と言っており、やはり人に気を遣い、迷惑をかけるのを嫌う日本人にはなかなか理解しにくい部分ではあるなと思いました。

 

私は韓国にいるときに、私の叔父の韓国人の友達の家にホームステイしていましたが、下宿代として毎月数十万ウォン払っていました。昼と夜の食事を出してもらっているわけだし、家賃を払うのは日本人の感覚として当然だと考えていましたが、韓国人の友達は、 「知り合いの家に住んでいるのに、なんで家賃を払っているの?叔父さんとホームステイ先のお家は仲がいいんでしょう?」と、とても不思議そうでした。つまり、このようなときでも、韓国では特にお金を払わなくてもいいということなのです。韓国で生活していて、そういう面ではありがたかったこともあるけど、日本に戻ったときに、日本に行くので同じことをしてほしいと要求されるのは結構キビシイものがあるなぁと思いました。

 

以前、韓国で知り合った女性から、10日の日程で北海道に旅行に行くのでよろしく頼むと言われたことがあります。彼女は10日間全て私の家に滞在するつもりでおり、航空券だけ買って、滞在費は全て私にもってもらうつもりだったようでしたが、私は当時両親と同居しており、2,3日ならともかく、10日も泊めるのは難しい話で、10日も仕事を休んで彼女に付き添うというのも無理なことでした。韓国にいるとき、彼女とは仲のいいほうであり、一度彼女の家で食事させてもらったり、勉強を見てもらったこともありました。確かにお世話にはなっていましたが、彼女が望んでいるような対応を全てしてあげるということは私には無理なことでした。その日程ではうちに泊めるのはちょっと難しいと告げると、彼女はかなりがっかりした様子で、その後はなんとなく疎遠になってしまいました。

 

こういう感覚の違いは、なかなか理解しあうのが難しいですね。韓国人のだんなさんと喧嘩した彼女には、最近赤ちゃんが生まれましたが、今、だんなさんの両親とお姉さんが数ヶ月滞在しているそうです。会いに行ったら、もうあきらめモードでした。習慣の違いでどうにもならないときは、あきらめて受け入れてしまったほうが楽なときもあるかもしれません・・・。