第50回 ケチが嫌なの

「私は、小気(ケチ)な人がどうしても許せないの。私が一番きらいなタイプは、小気な男よ。」

好きな男性のタイプについて中国人の女の子数人と話していたときに、一人が言いました。他の女の子も「そうね~、特に男の小気は最低だわ」と次々に賛同します。私はふと、日本人の女の子に嫌いなタイプの男性を聞いたら、最初に「ケチ」はあがらないんじゃないかなと思いました。彼女たちの「小気(シャオチー/ケチ)」に対する嫌悪感に驚くと同時に、中国の男の子たちが「小気」と言われるのをとても嫌がっていたのを思い出しました。

 

中国人は非常に面子を重視します。特に男性はそうです。例えば男性と女性が食事したら、男性が払うのが普通です。7歳下の中国人の男の子と食事したとき、奢ろうとしたら、

「僕に面子をくれないの?」

と、ものすごく嫌がられたことがあります。ここは自分に払わせて、面子をたててくれということです。彼が背伸びしているのがちょっとおかしかったのですが、若いのにやっぱり「男の子」なんだなぁ…と思いました。食事代に限らず、一緒にタクシーに乗ったり、遊びに行ったりしたら、恋人同士じゃなくてもお金は男性が払います。中国人曰く、たとえお金がなくても、面子があるので、ワリカンなんて「小気」なことは男性からは、絶対に言わないのだそうです。(女性とのつきあいのために借金までする人もいます)

 

中国の男の子は、なかなか謝りません。どうしようもなく取り返しのつかないことをしてしまったときは別かもしれませんが、ちょっとした間違いや迷惑をかけたくらいでは、簡単に謝罪はしません。彼ら曰く、それも「面子」なのだそうで・・・。

 

韓国滞在中に、中国人同士がけんかをして、知り合いの何人かが入院したことがありました。お見舞いに行き、けんかの原因を尋ねると、包帯でぐるぐるまきにされてベッドに横たわった友人は悔しそうに、

「だって、あいつら俺のことを『小気』って言ったんだ」

と言いました。そのときは、「えっ、そんなことで?」と思いましたが、彼らと長く接するうちに、面子を重視する彼らにとって「小気」は、大変プライドを傷つける言葉なのだと知りました。

 

この中国人特有の「面子」を重んじる文化というのは、日本人にはなかなか理解し難く、よくわからないうちは、面子をつぶしてしまうことがあります・・・。日本人は「礼儀」を重んじる民族で、日本では礼儀を欠く人、「失礼な人」が嫌われる傾向にあるが、中国では「ケチ」な人が嫌われ、「ケチ」と言われることを気にする人が多いのです。