第56回 レアは食べない

以前、うちのアイカタ(夫。中国人)は冷たい料理を食べないという話を書きましたが(第29回冷製だけどあっためて?)、もうひとつ絶対に食べないものがあります。先日アイカタと鉄板焼きハンバーグのお店に行きましたが、店員さんに焼き加減を聞かれて彼は、

「しっかり中まで完全に焼いてください。」

と言いました。

「お勧めはレアなんですが。当店で使用しているお肉は新鮮な道産のもので、レアすぎるのが苦手でしたらミディアムくらいのほうがお肉の食感が味わえると思いますが・・・ウェルダンはかなり固くなり・・・」

などと、店員さんは一生懸命お肉について説明してくださったのですが、

「いいんです!」

と。そして、ミディアムを頼もうとした私にも

「ダメ!しっかり焼いてもらいなさい!」

と。出てきたハンバーグはちょっと焦げていました・・・。

 

中国人はもともと生で食物を食べる習慣がありません。先日、中国から来たアイカタのお客さんと一緒にステーキを食べに行きましたが、全員が全熟(ウェルダン)を選びました。(中国語では、レア/三分熟、ミディアム/七分熟、ウェルダン/全熟といいます。)また、生卵も食べません。半熟でも嫌がる人が多いですね。日本ですき焼きを食べるようなときには、生卵につけないで食べる人が多いです。魚だけでなく、日本では肉類を全く火を通さずに刺身として生で食べる人も多く、牛、豚、鶏に限らず羊、馬までも、新鮮ならなんでも生で食べるということを知ったら、「信じられない!」と言った中国人の友達がいました。

 

国土の広い中国では、流通に時間がかかってしまうため、なかなか新鮮な状態で食べ物を手に入れることができません。日本のようにたとえば、海が近く採ったものをすぐにさばいて生で・・・というのはなかなか難しいですね。なので、衛生的で安全に食べるには、やはり火をしっかり通したほうがいいと考えられています。中華料理が強火で多めの油を入れて調理されているのは、短時間で風味を損なわずに食物を殺菌するためでもあると中華のシェフから聞いたことがあります。野菜ですら生では食べないですからね。必ず軽く火を通します。(日本で生活している中国人は、日本は流通がよくなんでも新鮮だとわかっているので、日本の生野菜は食べます。「中国に戻ったらもう食べられない」と嘆いている人もいます)

 

ところが最近中国では、日本の食文化であるお寿司が伝わり、好んで食べる人も増えています。大きな都市では回転ずしに行列ができている光景も見られます。徐々に中国の食習慣も変わりつつあるのかな・・・と思いますが、お寿司は「もともと生で食べる外国の料理」と認識して食べるけど、生玉子や生焼けのお肉はダメと言う人はやっぱり多いですね。うちのアイカタもお寿司は大好きですが、今日も朝ごはんの目玉焼きが半熟だった焼きなおして、と言っていました・・・。