第65回 参観日、パパは一人

「子供の学校で参観日だから、有給とって行ってみたら…ママしかいなかった!パパは僕だけ。目立っちゃって困ったよ」

半分冗談交じりに中国人の友人Yさんは言います。Yさんは5年前に来日、日本企業に勤めていて、二年前に中国から奥さんと二人の娘さんを呼び寄せて一緒に暮らしており、娘さんたちは中学生。日本の中学校に通っています。奥さんも日本で働いていますが、日本語があまり達者ではないので、学校の行事にはYさんが参加しています。

「やっぱり、日本では父親が育児に消極的なんだね。家事と育児は女がするものって考えが、まだ残っているの?中国なら懇談会なんかには父親も母親も同じ数くらい参加するんだけどね」

 

土日なら日本のお父さんたちもお休みを利用して参加したのかもしれませんが、参観日は平日だったそうで、平日にわざわざ有給をとって行くお父さんはあまりいないかもしれないなと思いました。奥さんが専業主婦で家にいるなら、奥さんが出席することのほうがやはり多いでしょうね。

 

一般的に中国の会社では、日本の会社より休みが取りやすくなっています。子供の用事で会社をちょっと抜ける・・・というのもよくあるようで、小学生の下校時には、親が仕事を抜けて迎えに来るというのもよく見かける光景です。そういうわけで、子供の学校の懇談会等にも日本より参加しやすい環境ではあると思います。また、中国では基本的に夫婦共働きで、夫婦二人で時間を調整し合い、子供のために時間を作るので、父親が子供のために学校に顔を出すということもそう珍しいことではありません。

 

それに加えて、やっぱり中国人男性が育児や家事に積極的だということが、日本と大きく違うところだと思います。私が中国に留学していたときや、韓国内で中国人と生活しているときによく目にしたのが、中国人の友達の旦那さんが赤ちゃんのオムツを代えたり、ミルクを飲ませたり、寝かしつけたり、とにかくよく子供の世話をしている姿でした。

「えらいねぇ~!」

と、感動して褒めちぎる私に、

「何が?中国では普通のことだよ。」

と、困惑顔。そういう環境だから、父親が子供のために学校に行くのも当たり前のことなのでしょうね。

 

日本でも共働きが多くなり、家事と育児は夫婦で分担という家庭も増えていて、今はイクメンという言葉もあるくらいですが、学校に関してはやはり母親の出番が圧倒的に多いように感じますね。習慣、伝統、環境の影響もあるし、日本が中国のようになるには時間がかかりそうです。

 

Yさんの下の娘さんは今年の春、小学校を卒業しました。Yさんは、その学校の謝恩会にも休みを取って出かけていったのでしたが、

「やっぱり僕以外、ママしかいなかった!先生も女性だから、男はほんとに僕だけ。最後の記念パーティなのに、パパたちはどうしたんだろうね。卒業式にはあんなにたくさんの父親が来ていたのに。まぁ、お母さんたちと仲良くなれて、娘のためにはよかったのかもしれないけど…。」

と頭を掻きました。妻の日本語が上手くなったら、これからは妻に頼もうかなと、彼は呟くのでした。

 

うちのアイカタ(夫。中国人)はというと、日本の生活が20年と、かなり長いので家事はほとんど私任せですが(本人は日本式が好きだと言っております…)娘の世話はすすんでやってくれます。中国人だからやる、というよりは娘の誕生が嬉しすぎてやらずにはいられないといった感じです。参観日も頼まずとも喜んで行きそうです…。