第82回 アポはぎりぎりにお願いします

以前勤めていた会社で、12月中旬頃に中国の取引先に年始の休みが何日あるか聞こうと電話したときのことでした。(中国は旧正月を盛大に祝い、日本の「お正月(新年)」はあまり重要ではないため、年始は数日休みになるが、年末は31日まで出勤のところが多い。)

「年始の休みは何日までですか?」

「上が決めるからまだ分からない。一週間くらい前になったら分かると思うけど。」

「え、まだ分からないんですか。もうすぐ20日ですよね」

「ぎりぎりにならないとわかんないよ。2、3日前に分かる年だってあるんだから。」

 

中国では、なんでも日本のように前々から決めてはおきません。例えば日本の会社が、中国の取引先に来月の○日にそちらにうかがいたいと思いますが・・・などとアポを取ろうとしても、そんな先のことは分からない、と言われることがあります。「とりあえず今のところは大丈夫です」と言われてアポが取れたとしても、二、三日前になってから「やっぱりだめでした」と、言われることもよくあります。最悪なケースでは中国側から何の連絡もなく、中国の取引先の会社に着いてから、担当者不在のため会えないと言われることもあります。日本側は、前からアポとっているのに何で?と思うかもしれませんが、中国側はどうして一ヶ月も二ヶ月も先に予定を組むのかが理解できません。予定は何でも直前に決まるものであり、一日~三日前に出張とか会議とかの予定が入るのが当たり前(ひどいときは当日)で、できれば直前にアポ取りしてほしいというのが中国側の考えです。なので、こちらもアポをとった日が近づいたら、改めて中国側に確認する必要があります。

 

そういうわけで、休暇の日程もぎりぎりに決まるというのは理解できます。

「日本人は何でも早く決めすぎるんだよ。もっとあとに分かっても別にこまらないでしょ。先のことは、何があるかわからないんだから。」

と、電話の相手は言いました。こちらの予定が立てられず困るから聞いているんだけど・・・と苦笑い。

 

以前この会社の社員が、私が勤めていた会社を訪問したいと言ってきたことがありました。連絡は2日前に来て、急だったので私と同僚は準備に追われました。が、当日の朝、行かないことになったと電話が。中国側の予定は本当にコロコロ変わります・・・。日本人は用意周到に準備したがりますが、あまり前からなんでも準備すると無駄になることもよくあるので、その予定日よりかなり時間が空くときは(そんなに前に連絡があることはあまりないけれど)、様子を見たほうがいいですね。

 

「日本人て怖いくらい約束を守るよね」

と、中国人に言われたことがあります。一度決めたことを何度も変更したり、急にキャンセルしたりすることは特にビジネス上では信用問題になるので、日本ではあまりしませんが、中国ではそこまで神経質になりません。それと、日本人は事前に計画して周到に準備し、ことを運びたがりますが、中国ではとりあえずやってみて、何か問題があったらその場で考えればいい、という臨機応変さが重視されるところが、一緒に仕事してみると違いを感じるところですね。今は日中間のビジネス取引も以前に比べると増加しているので、各現場では、お互いに歩み寄る努力をしていることだろうと思います。