第91回 人の仕事はやりません

中国の役所で。

「●●の手続きをしにきたのですが。」

「担当のAは休暇で2、3日いません」

「とても急いでいるのですが。」

「そのことはAしかわからないので、今日はできませんね。」

「どうにかなりませんか!?」

「どうにもなりませんね。私の担当ではないので…」

こういうことはよくあります。中国では、自分が担当している以外の仕事は、どんなに自分が暇でも全くやらないということは本当によくあるのです。(とくに公的機関や国営企業ではそう。)お客さんが(手続きする人)がどんなに困っていても、担当者がいないのだから仕方ない、あなたの都合はしらないよ、という態度をとられてしまいます。日本なら、お客様や取引先に迷惑がかかるので、担当者が休んだときは誰かがフォローしたり、誰かの仕事がものすごく忙しくてキャパオーバーになっているときは、他の人が手伝ったりするようなことはよくあるのですが…。中国では、そういうサービスは期待できないのでした。

 

留学中、大学の留学生担当の課に行って、リターンビザ(一度中国から出てもう一度中国に戻るビザ)の申請を頼んだことがあります。その課は、そういうビザ申請や様々な留学生のための事務的な業務を行う場所なのでしたが、一ヶ月くらい前に頼んでおいたのに、一週間前になっても連絡がないので確認しに行ったら、担当者はかなり不機嫌な様子で、

「私は、ここ最近忙しくてあなたのビザ申請どころではなかった。だからまだできていない。」

と言います。間に合わないじゃん!!と、焦る私に、その横にいた同じく留学生課の女性が、

「彼女忙しいんだからしょうがないでしょ、あんた、中国語しゃべれるんだから自分でやったら?」

と。そう言いながらその女性は、その隣の男性とトランプをしていて、かなり・・・暇そうでした。

「他の人が代行したりしないんですか?」

と一縷の望みをかけて言ってみましたが、

「それは、俺たちの担当じゃないもん」

と、さらっと言われてしまいました。忙しくてどうしても業務ができなくても、他人がそれをすることはないのです。

 

結局このときは自分で公安に行き、なんとかなったのですが、緊急に手続きをしなければいけない人はどうするのだろうと考えてしまいますね。中国ではこういうときにコネがあると全く違う結果になります。中国人が人脈をとても大切にしている理由がよくわかると思ってしまうのでした。