第94回 量る?量らない?

先日、中国人の友達に福建料理を習う機会がありました。油をなみなみとボウルに注ぐ彼女にその分量を聞いたら、

「分量?適当、適当!そんなこと聞くなんて、日本人はやっぱり細かいわね。私、日本料理教えてもらったことあるけど、醤油も砂糖も塩も全部きちんと量ってて、ちょっとびっくりしたのよ。中国人が料理するときはほんとに適当なの。酢とか酒の液体類はビンから直接、塩とか胡椒も手で掴んでさらさらっと入れるだけよ。あとは味見しながら調整すればいいの」 「だけど、それなら毎回味が変わるんじゃない?」

「多少変わっても、美味しければいいんじゃないの。」

 

そういえば、ハルビン留学中に近所の食堂や学食に入って、チャーハンやよく食べるおかずの味が毎回違う、というのはよくあることなのでした。あるときなどは、しょっぱすぎてとてもじゃないけど全部食べられないということもありました。そのように毎回味が安定していないのも、この作り方を見れば納得できるのでした。中国では、「しょっぱすぎるから作り直してください」とか「この料理はしょっぱすぎるから食べられなかった。この分はお金を払わない」ということもあったりするので、そんなに問題にならないのかもしれないけど・・・。

 

日本でも人によっては、また、料理によっては、調味料の分量を量らないことがありますね。私もしょっちゅう食べるものを料理するときや、急いでいるときなどは量らないことがあります。けれど、レストランのメニューで、調味料の分量を量らずに作っていて、毎回味が違うということはあまりないと思います。それに、レシピを見ながら初めてのものを作るときには、アレンジするにしても必ずその分量を参考にするでしょう。中国でも料理の本にはちゃんと分量が書いてあります。

が、友達が言うには、

「一応分量は載っているんだけど、几帳面に量っているひとはいないと思うよ」

とのこと。いないというのは大袈裟ですが、つまりあまり量る習慣がないということを言いたいのだと思います。

 

そういえば、昔、東北地方の中国人と一緒によく肉まんや餃子を作りましたが、餃子や肉まんの皮を作るときにも、毎回粉の分量も水の分量も量らず、適当に混ぜ合わせ、足りなかったら補って、最終的にはちゃんと適度な柔らかさの皮ができていたのを思い出します。(しかもできるまでがものすごく早いのです)。

 

それを見ていると、日本料理みたいに調味料をいちいち量って、入れる順番まで考えて・・・と、やっているのがまどろっこしいと言うのも理解できます。私が見た中華料理は、豪快で大胆なものでした。問題が生じないように用意周到に準備する日本人と、問題が起こってから臨機応変に対応する中国人の違いが、この料理の仕方にも表れているような気がしました。

 

でもやっぱり教えてもらう立場からすると、分量を詳しく知りたいと思うのですが・・・。