第99回 男尊女卑の国?

「びっくりしちゃった。やっぱり日本はまだ男尊女卑の考えが残っているのね」

来日したばかりの中国人留学生があきれたように言います。

彼女は先日、お世話になっている人の家にお邪魔したのですが、そのお世話になっている人が、奥さんを「うちの家内です。」と紹介したからだそうです。

 

「『家内』って、家の中っていう意味じゃない?女性は家の中にいるべきだっていう考えからきているんじゃないの?それに、『奥さん』とか『妻』だってさぁ・・・」

その呼び方に疑問というか、興味を持った彼女は自分でいろいろ調べてみたようでした。『奥さん』も家内と同じで家の奥の意味。『妻』は刺身のツマと同じで、添え物、夫を引き立てるという意味・・・。

 

「夫のことは『ご主人』とか『旦那さん』とか言うんでしょ。これって立派な男尊女卑だと思うんだけど。夫が『主人』て、じゃあ妻は使用人か何かみたいだよね。『家内』なんて呼ばれて、日本の女性は怒らないの?中国ならちょっとあり得ないよ。」

これを聞いてなるほどと思いました。確かにこれらの言葉の由来は、彼女の言う意味から来ているのですが、習慣的に使っている言葉なので、そこまで深く意味を考えたことはありませんでした。男女平等の先進国であるといわれる中国人の視点から見ると、女性に対する差別用語と映っても仕方ないなと思います。

 

もう定着しているから、今は由来まで考えて使っている人はいないと説明したら、一応納得したようでしたが、あまり日本を知らない中国人には、未だに日本は女性の地位が低く、男性に虐げられている国というイメージがあるのだということを再認識しました。

 

「このまま中国で暮らしなよ、日本は女性の地位が低いんでしょう?結婚後は外で働けないって聞いたよ。」

 

中国にいるとき、幾度となく言われたことがあります。私の母は専業主婦だと言ったら、中国人はみな「やっぱりね」という顔をします。「日本女性は、結婚後は専業主婦になって、夫にひたすら尽くす」。中国では昔の日本映画の影響もあってか、そのイメージが強いのです。(そういうイメージが強いからか、日本人女性と結婚したいので、紹介してほしいといわれたこともあります。)

 

国人女性は専業主婦になることを断固として嫌がる人が多いですね。専業主婦は、お金を生み出さない、非生産的な能力のない人と見られるからです。特に、学歴が高ければ高いほど、専業主婦を嫌う傾向にあります。大学院を出た友達は、

「絶対につまらない専業主婦にだけはならない。今まで勉強してきたものが無駄になるし、夫に養ってもらうなんて対等じゃないでしょ。それにもし、離婚することになった場合、仕事がなかったら、どうやって生きていくの?」

と、離婚したときのことも考えている徹底ぶりです。このように、専業主婦に対する考え方が日本と中国では違い、中国人は、日本女性を「家から出て働けないかわいそうな境遇にいる」と思っている場合があります。

 

けれど時代は大きく変わりました。中国までとはいかないけれど、日本では共働きが増えていますし、逆に近年経済成長の著しい中国では、専業主婦が富裕層の間では徐々に増えているそうです。女性が働くことへの考え方も、それに伴い変わっていくのではないかと思います。